5月1日時点で、感染者ゼロを更新している岩手県より、千葉幸子さんのお便りをご紹介いたします。
千葉幸子さんは、岩手県第二代県令(旧岩手県知事)石井省一郎の私邸で明治18年建築の煉瓦造の洋館「旧石井県令邸」の管理人であり画家です。カメリアでの展覧会がご縁で、2017年、2019年には旧石井県令邸での展覧会「ヒカリアレト」を一緒に開催いたしました。県令邸周辺の美しい風景とともにいただいたお便り、ぜひご覧ください。幸子様、ありがとう。
県令邸地下室と幸子さんの作品
1枚目:県令邸での松坂渉展
2枚目:昨年5月のユザーンLIVE
3枚目:藤棚の花はまだまだ
旧石井県令邸では、昨日まで盛岡市在住の鋳金作家・松坂渉展を開催していました。岩手県は未だコロナウイルス感染者ゼロと言われていますが影響は広がっています。旧石井県令邸も今日(2020.5.1)から9月までコロナウイルスの影響で展覧会は全て延期になりました。
昨年5月7日に新井孝弘さんとユザーンさんに「新井孝弘×U-zhaan 北インド古典音楽ライブ」を開催していただきました。本当に素晴らしいミュージシャンのライブを実現できたのは、主催の故・齋藤正智さんのおかげです。今年も5月3日開催していただく予定でしたが、新井孝弘さんが在住するインドにおける事実上の鎖国措置などの影響により中止になりました。コロナウイルスが終息したら必ずこのライブの企画をしたいです。
また、個人的な事ですが、2020年9月に岩手町にある石神の丘美術館で開催する3人展に参加させていただく予定でした。しかし、この展覧会も来年の9月に延期になりました。この延期で生まれた時間で自分の世界観を見つめ直してみようと思います。
コロナウイルスが終息した世界がどうなるのか考えてみると、綺麗事では片付けられない現実があり、困難な人だけが計り知れない悲しみの中にいると思います。自分がどうなっているのかもわかりません。
今できること
"鉛筆とノートを持って木を見上げて葉っぱの重なりや光を感じて空気を吸って感じたままに描いてみる"
こんな状況の時は心が乱れて犬との散歩時間が増えています。その時、改めて自然の美しさ、夜の月の美しさに気づきました。何が言いたいのかというと、私には絵は心を救うものだということです。幼い頃は気楽に絵を描く時間や絵を見る時間があったと思います。コロナウイルスが終息したら、皆様に、幼いころの感覚で絵を観る時間が少しでも生まれてほしいと思います。
2020年5月1日
千葉幸子(画家・旧石井県令邸管理人)
千葉幸子 Sachiko CHIBA
略歴
岩手県盛岡市出身(盛岡市在住)
岩手大学大学院教育学研究科教科教育専攻美術教育専修修了
主な展覧会
2003より 毎年旧石井県令でグループ展を開催(旧石井県令邸/盛岡)
2011 「TOHOKU-SCOTLAND」 エジンバラ芸術大学スカルプチャー・コート / スッコトランド
2011~2013 「POSTCARDS FROM JAPAN」 / ロンドン、エジンバラ、ニューヨーク、東京など
2015 Gallery Camellia 公募展
Gallery Camellia / 東京
2016 Gallery Camellia 公募展
Gallery Camellia / 東京
Gallery Camellia賞 受賞
2016 fece to fece#10「Voyage
Out」Gallery
Camellia /
東京
2017 早坂幸子展 (諄子美術館/北上)※
2018 「夕焼けの海をプカプカと」Gallery Camellia / 東京
2019 岩手県美術選奨受賞者展 岩手県立美術館 / 岩手
(※早坂は旧姓です)
千葉幸子 / 夕焼けの海をプカプカと
2018年7月24日~8月5日 展覧会より
Gallery Camellia